初音ミク19周年記念・6人合唱の新曲「可能性のジュークボックス」MVを公開しました | G.C.M Records

可能性のジュークボックス(初音ミク19周年記念楽曲)サムネイル

初音ミク19周年記念・6人合唱の新曲「可能性のジュークボックス」MVを公開しました

8月31日21時、初音ミク19周年の夜に、
6人合唱の新曲「可能性のジュークボックス」のMVをYouTubeとニコニコ動画で公開しました。

歌は初音ミク・鏡音リン・鏡音レン・巡音ルカ・MEIKO・KAITOの6人です。
100円玉を入れて誰かの曲を選んでいた自分が、
気がつけば曲を作って、6人に歌ってもらう側になっていました。
そんな四半世紀をまるごと詰め込んだ、自己紹介のような曲です。

視聴リンク

▼YouTube

▼ニコニコ動画

この曲は、7月に発行した10枚目のフルアルバム『G.C.M Style』
本編ラストに置いた書き下ろし曲です。
CDをお持ちの方にはひと足先に届いていた曲を、
MVという形で公開しました。

アルバム自体のことは発行時の記事に書いていますので、
今回はこの曲とMVの話を中心にまとめます。

「ジュークボックス」に込めたもの

さて、今回の新曲はまずタイトルありきで制作が始まりました。

初音ミク19周年なので「19」と「ジューク」を重ねるという、
結構ありがちなモチーフです。
それだけに同じネタがたくさん投稿されるだろうと思い、
自分なりの味付けを考えました。

最初は「永遠のジュークボックス」なども頭に浮かびましたが、
自分らしい言葉として選んだのが「可能性」でした。

「可能性」は「好奇心」と並ぶ私の活動の2大テーマです。

歌詞にも「レコード」「スタイル」「好きと好きが出会う(Game Crosses Music)」といった、
自分を象徴するワードを散りばめました。
2番の「次のレコード照らし出して」の「レコード」は、
音楽のレコード、新記録、
そしてサークル名のG.C.M Recordsという三重の意味を持たせています。

歴の長い方ほど、ニヤリとしていただける仕掛けかもしれません。

どうして「可能性」なのか?

どうして「可能性」なのかというと、自分の原体験の話になります。

もともと私はヒットチャートマニアでした。
毎週カウントダウンTVなどの音楽番組を見ては、
数字の動きを楽しんでいた「聴く側」の人間だったんですよね。

そんな自分が25年前にゲームセンターで出会ったのが、
初代beatmaniaの5つの鍵盤です。

100円玉を入れて鍵盤を叩くと、曲の中の音がちゃんと鳴る。
歌詞に「コイン入れて つたなく弾く 5個の鍵盤」とある通り、
誰かが作った曲を選んで遊ぶ側だったわけです。

そこから同人の音ゲーフォーマットだったBMSに触れて、
音楽を作るというより「ゲームを作る感覚」で作曲を始めました。
好きだったゲームと音楽が、ここで初めて一つにつながりました。

音楽には、聴いた人が明日の行動を変えてくれるかもしれない力や、
記憶に結びついた芸術としての側面があります。

それに、誰にでも合う音楽はきっとある、と日ごろから感じています。

メドレー企画「RINLENMANIA」では毎回、
公募の絵師さんに描きたい曲を第10希望くらいまで出してもらっています。
どこが面白いかというと、
どんなジャンルの曲にも必ず「描きたい」と手を挙げてくれる人が現れることです。

自分に合う曲がなければ自分で作ればいいし、
そうして作った曲は自分に最高にマッチングするわけです。

100円玉を入れて曲を遊んだ当時のbeatmaniaも、今のプロセカも、
あるいは購入すれば無限に音楽が増えていく
ボーカロイドのソフトウェアそのものも、そういう力を持った箱です。
時代とともに媒体は移り変わっていきますが、
そうした「音楽が鳴る可能性のあるもの」を、この曲ではジュークボックスと呼んでいます。

曲の理想と自分の現実

とはいえ、曲を作っている私自身が
歌詞のメッセージ通りうまくやれているわけではありません。
普通に必死に生活しています。

みんなと同じですね。

Bメロの「理想のBPM通りには」や、2番の「面倒くさいリアル」という歌詞は、
そのあたりの本音です。

曲の位置づけ

それでも、明日はおそらく来ます。
思っていたよりも地球は大きいし、
世界にはたくさんの人が住んでいて、たくさんの音楽が日々出てきて、
歌詞にある通り「人生ってやつは割と長く」。

何も知らないで死ぬのは嫌だなという好奇心があるからこそ、
歌詞の通り「だから恐れずに次のコイン入れよう」となるわけです。

サビで歌っているのは、そのくらいの少し引いた肯定感ですね。

なので曲の位置づけとしては、
ライブを締めくくるエンディング曲や、
DJなら最後に大団円で流すような曲をイメージしています。
「ワールド・ビルド・アンセム」や「捲土唱来」が熱量ダダ漏れの曲だったので、
今回はサビを極端に盛り上げるのとは違うアプローチを試してみたかったわけです。

曲調と歌い分けについて

サウンドは、90年代のデジタルJ-POPと初期の5鍵盤音ゲーという、
自分が音楽にハマった頃のものです。
好きな曲調に寄せた感じなのですが、
この曲調で6人曲を作ったことは今までなかったので、やってみました。

歌い分けは、1番Aメロを女子4人(リン・ミク・ルカ・MEIKO)、Bメロを男子組、
2番Aメロをレン・KAITO、2番Bメロを女子組と、
6人全員にソロパートが回るようにしています。

このアルバムはリンレン曲と6人曲だけで構成しているので、
この曲でもリンレンは少しだけ主役に近い位置にいます。
ジュークボックスの前に立つプレイヤーで、どちらかというと私自身です。

1番の最初にリンが歌うのは初期衝動に触れた頃の自分、
2番の最初にレンが歌うのは今の自分で、
あいだの4人は音楽やゲームの導きを外から教えてくれる存在、というくらいの緩やかな役割です。

サビでは年長組(ルカ・KAITO・MEIKO)と年少組(ミク・リン・レン)が掛け合いをします。
積み重ねてきた時間と、今も新しくつながっていく感覚を、この2組で分けて見せたかったからです。

イラストについて

イラストは黎さんに描いていただきました。
「人生」の原曲イラストから『G.C.M Style』のジャケットまで、
毎回お世話になっている方です。

衣装はアルバムのジャケットで描いていただいたものをそのまま使い、
あとは歌詞の解釈メモをお渡しして、細かいところはお任せしました。

6人の衣装は「人生」が白ベースなのに対し、
今回は夜の要素や、私のWebサイトのイメージでもある黒系です。
可愛さとおしゃれさのバランスがすごく好きですね。

曲のイメージ通りキラキラしていて、深夜のクールな雰囲気もあって、
キャラクターの表情やポーズもそれぞれ躍動感があります。

完成データを見ていて、
衣装のモチーフに私のホームページの格子背景が使われているのに気づいて、おっと思いました。
汲み取っていただいて本当にありがとうございます。

MVについて

動画はsorikuさんに制作していただきました。
「お嬢様と執事の冒険」や「ユメノツヅキ」でイラストと動画をお願いした方で、
今回は動画のみでご相談しました。

お願いしたのは、前向きな爽やかさがありつつ、
6人それぞれの個性や歌い分けが見えるような映像です。

演出は基本的にお任せにしつつ、
私の過去のホームページのスクリーンショットや活動写真など、
2005年から2026年までのパーソナルな素材をお渡しして、
取り入れられそうなら使ってくださいとお伝えしました。

できあがったのは、sorikuさんのテイストがしっかり入った現代的なMVでした。
黎さんの一枚のイラストが、単体の立ち絵、年長組と年少組の3人ずつ、ペア、6人集合、レコードのレーベルと、
いろいろな形に組み替えられています。

Aメロでは歌っているキャラのアップと、そのキャラの色のネオン文字が背景に出るので、
誰のパートかが自然にわかります。

そして最後のサビ、「人生ってやつは割と長く」からは、
お渡しした素材が年号付きのカードになって6人の周りに浮かび、
アウトロでは年代順に流れていきます。

初稿を見たとき、ラストの自分の歴史をたどるタイムラインの演出には、
感動して泣きそうになりました。

アウトロで年代順に流れる写真カードと6人(MVより)
アウトロのタイムライン(MVより)

タイトルロゴも、動画の中でsorikuさんに作っていただいたものです。
曲と6人の魅力がじんわりと伝わるMVになったと思います。

冴戒椎也さんによる支援謎解き

「捲土唱来」に引き続き、今回もクイズ作家の冴戒椎也さんに、
この曲にまつわる謎解きを3問作っていただきました。
Xで公開されていますので、こちらもぜひ。

https://x.com/sakaishiiya/status/2094712309633708248
https://x.com/sakaishiiya/status/2095075389437780149
https://x.com/sakaishiiya/status/2095440613907005889

『G.C.M Style』ストリーミング配信・CD通販

この曲を収録したアルバム『G.C.M Style』は、
9月2日から各種ストリーミング配信が始まりました。
CDと同じ全12曲を、
SpotifyやApple Musicなど主要な音楽配信サービスでお聴きいただけます。

G.C.M Style / アンメルツP | KARENT

CDはBOOTHメロンブックスとらのあなアリスブックスで通販中です。
歌詞カード付きで一枚を通して聴きたい方は、こちらをご利用ください。
収録曲の詳細は特設ページにまとめています。

クレジット

  • 作詞・作曲・編曲・調声:gcmstyle(アンメルツP)
  • 歌:初音ミク・鏡音リン・鏡音レン・巡音ルカ・MEIKO・KAITO
  • イラスト:黎(@kuroi0
  • 動画・タイトルロゴ:soriku(@soriku1125
  • マスタリング:小泉こいた。貴裕(SoundWorksK)(@KOITA_SWK

おわりに

10枚目のアルバムの締めに、四半世紀分の自己紹介を置きました。
これで一区切りついたので、次からはまた普通に新曲を作ります。
どうぞ聴いてやってください。

歌詞

今夜はここで踊ろう

コイン入れて つたなく弾く 5個の鍵盤
知らない音のセカイ 夢中になって あこがれへと
遊びから 当たり前が 生まれていった
魔法の歌声は いまや歴戦の相棒さ

理想のBPM通りには
うまく進まない方が多いけれど
ため息まじり 立ち止まる夜の中
スピーカーは 音を灯し続け

キミが選んだ可能性が 誰かの未来変える
そんな奇跡がこだまする ジュークボックス
時代を巻き込み 僕らをつなぐ
色褪せない魔法と 今夜はここで踊ろう

何も知らず 終わるなんて 嫌だと今日も
最高を目指して まだアンテナは錆びてないさ

不器用に叩いたノーツたち
今はなんとかコードを鳴らしている
面倒くさいリアルを乗り越える光は
次のレコード照らし出して

キミの抱く好奇心は 答えに焦がれている
プレイリストの海の果て 巡り会える
隣の人にも 星の裏にも
もがいてる僕にも 明日はおそらく来る

幾億の時を交差するメロディ
理想の景色は必ずあるさ
だから恐れずに次のコイン入れよう
音がまだ見ぬ自分を連れてくるよ

人生ってやつは割と長く
地球は優しいみたい
「好き」と「好き」が 出会うことも たまにはある

奇跡を奏でる ジュークボックス
それぞれのスタイルで 今夜もここで踊ろう
答えは待ちわびてる
明日はおそらく来る

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