音楽ダウンロードカードを自由なデザインで安く作る方法(音楽以外もOK) | G.C.M Records

アイキャッチ「音楽ダウンロードカードを自由なデザインで安く作る方法」

音楽ダウンロードカードを自由なデザインで安く作る方法(音楽以外もOK)

はじめに

こんにちは、ボカロのアンメルツPと申します。

先日、マジカルミライ2023東京会場にて新譜「ディア・ファースト・ランナー」
ダウンロードカードを頒布しました。
このカードは、台紙にQRコードが印刷されており、指定のサイトにアクセスして
カード裏面の番号を入力することで、音源がダウンロードできます。

ディア・ファースト・ランナー – G.C.M Records Online Shop – BOOTH
https://gcmstyle.booth.pm/items/5072346

この新作以外にも「プロジェクトセカイ」収録曲「人生」のダウンロードカードも作っています。

人生 7バージョン収録DLカード+クリアファイルセット – G.C.M Records Online Shop – BOOTH
https://gcmstyle.booth.pm/items/4168187

このダウンロードカードに関して、マジカルミライや9月3日に開催された
同人イベント「かがみらーじゅ!」の会場で多くの方からダウンロードカードの
作成方法について質問を受けたので、この機会にそのプロセスを共有します。
これが今後ダウンロードカードを作ろうとする方々の参考になれば幸いです。

「conca」でダウンロードカードの「番号だけ」を発行してもらう

ダウンロードカードを作る方法は多数ありますが、特にボーカロイド界隈では
クリプトンフューチャーメディアさんが提供する「SONOCA」が有名です。
私も以前利用したことがありますし、細かなサービス内容や利便性から非常に人気です。

しかし、今回紹介する方法はそれとは異なります。

具体的には、「conca」というサービスを用いてダウンロードカードの番号だけを発行し、
それを別の印刷所に持ち込み、好きなデザインで印刷してもらいます。

conca®(コンカ) | ダウンロードカード・ミュージックカード制作サービス
https://conca.cc/

「conca」はダウンロードカード制作サービスの1つで、「(株)バタフライコード」が運営しています。

こちらでは通常のダウンロードカードを作る「カードプラン」や、
他社が発行した番号でカードだけを作るサービスなど複数のプランが提供されています。

今回私が利用したのは「コードオンリープラン」で、
このプランではシリアルコードのみを発行します。
これを別の印刷会社で印字し、自分の好きなデザインでダウンロードカードを作成できます。

このダウンロードカードの魅力のひとつは、締め切り直前まで、またはそれ以降でも
コンテンツを更新できる
点です。

最大で1回の手続きで3000コードまで発行可能です。

ダウンロードカードの有効期限は最長で3年間です。
この条件はほかのダウンロードカードでも大体似たようなものですね。

concaのマイページでは、今までに発行した作品の管理ができる

コード発行の料金とオプション

コードオンリープランの基本料金は1,078円で、1コードあたり11円が追加されます。
たとえば、300コード発行する場合、基本料金に3,300円が加算され、合計4,378円です。
さらにいくつかのオプションを追加すると数千円ほど上乗せされます。
それでも、1万円以下でダウンロードカードのコードが発行できるのは非常にリーズナブルです。

以下、おもなオプションについて説明します。

コードオンリープランにはいくつかオプションがあります

まず、「配信ファイル数の追加」です。
複数ファイルを想定する際に便利なオプションですが、実際にはZIPファイル等で圧縮して
1つのファイルをアップロードすればよいため、特別な必要性はありません。

次に、「配信ファイル容量の追加」です。
デフォルトでは512メガバイトとなっています。
CDの容量は約700メガバイトですね。
CD相当の音質のWAVファイルをアップロードするなら40分程度であれば問題ありませんし、
圧縮すればさらにサイズを小さくできます。
1ギガバイトに増やした場合の追加料金は1,540円です。

「ダウンロード解析」では、配信コンテンツのダウンロードグラフをマイページに表示し、
CSVでダウンロードできます。
しかし、特別な必要性がなければ不要かと思います。

「コメントフォーム」は、ひとつのシリアルコードに対して、
1回だけダウンロードした人が匿名でコメントを投稿できるしくみです。
これは匿名で意見をもらうことが可能なため、非常に便利です。

また、「お知らせメール」も便利な機能です。
作品を頒布したあと、さらに何か変更があった場合や新たなコンテンツを追加した際に、
登録メールアドレス宛てに通知できます。
また、有効期限が切れる3日前にも通知ができるので、ダウンロードを忘れている人にも便利です。

最後に、「シリアルコードロック」というオプションもあります。
これはひとつのアカウントに対してダウンロードを1回に制限するものですが、
制限が厳しいのと価格的に高いため、音楽作品の配布では不要と考えます。
ゲームなどの配布には向いているかもしれません。

なおオプションに加入していなくても、
コードが流出した場合は特定のコードを一覧から選び
利用停止にできます。

総じて、これらのオプションを考慮しても1万円以内で数百コードを発行できます。

発注すると、ほぼ即時でコードが発行される点は非常に便利です。
発行した作品の一覧はマイページから管理でき、そこからコメントの確認やコードのロック、
ファイルの差し替えなどが可能です。

シリアルコードマネージャーをクリックすると、シリアルコードの一覧を見ることができます。
さらに、「シリアルコードダウンロード」を押すと、CSV形式でコードの一覧をダウンロード
できます。

これを別の印刷業者に持っていく際に使うわけです。

発行したコードを自作のダウンロードカードに印刷する

大量のシリアルコードを作成する必要がなく、数十部程度を制作するのであれば
自宅のプリンターでも作成可能です。
コードをひとつずつコピー&ペーストし、それを印刷することで作る流れですね。

ある程度まとまった部数となると印刷所を使うことになりますが、
その際は「グラフィック」さんがおすすめです。

グラフィックさんでは「バリアブルオプション」というサービスを提供しています。
これは1枚1枚に異なる文字や数字を印刷するオプションで、今回のダウンロードカードのほかにも
連番チケットの発行などに非常に便利です。

(↓はアフィリエイトリンクです。下記リンクからコミグラ(グラフィック)のページに飛んだ上で、
何か商品を注文していただくとありがたいです)

料金についてはグラフィックさんのサイトをご確認ください。
基本的には基本料金プラス1枚数円から10数円程度です。
また、納期が1日伸びることには注意が必要です。

可変テキスト印字(バリアブルオプション) – ネット印刷は【印刷通販@グラフィック】
https://www.graphic.jp/options/variable/

納品用データを作る作業では一般的にIllustratorのようなツールが用いられます。
バリアブルオプションの説明をきっちり読んで、入稿形式のデータを作りましょう。

自身でデザインする自信がない場合は、Illustratorを使える専門のデザイナーに頼むことも
ひとつの方法です。

1~2万円コース:ポストカード・フライヤー

予算を抑えたい場合は、ポストカードフライヤーがおすすめです。

チラシ印刷・フライヤー作成 – 激安ネット印刷は【印刷通販@グラフィック】
https://www.graphic.jp/lineup/flyer

私自身も「令和時代の個人サイト制作入門」で、紙の本とダウンロードカードを一緒に頒布した
経験があります。その際にはフライヤー印刷を利用しました。

1万〜2万円程度で数百部のダウンロードカードを作成できます。

これは、CDに比べて大幅なコスト削減が可能です。

5万円~コース:プラスチックカード&台紙印刷

もう少し豪華なダウンロードカードを作りたい場合は、
プラスチックカードとその台紙のオプションがおすすめです。
これは、病院の診察券くらいの質感ですが、本格的なカード形式のダウンロードカードを
作りたい方に適しています。

このプラスチックカードには、専用の台紙オプションがあります。

台紙のサイズは小、中、大と選べます。

プラスチックカード – 格安ネット印刷【グラフィック】
https://www.graphic.jp/lineup/plastic_card

余白部分にCDジャケットのようなデザインや歌詞を追加すれば、ダウンロードカードが
単なるデータでなく、形に残る価値のあるアイテムです。
OPP袋封筒などちょうどいいサイズを見つけてパッケージしましょう。

台紙およびダウンロードカード両方を発注した場合でも、
CDの半分~7割くらいのコストで同じ部数を作ることができます。

納期についてはおよそ1週間です。
ダウンロードカードの内容はイベントの前日まで調整可能ですが、
デザインや歌詞は早めに確定させる必要があります。
歌詞をダウンロードカードに書かずにPDFで用意する場合は、
曲名さえ決まっていれば前日まで調整できますね。

おわりに

CDプレイヤーを持っていない人が増えている現状では、
ダウンロードカードは音源を届けるとともに形に残るアイテムとして非常に有用です。

ダウンロードカードに関しては、番号発行後はどんなデザインでも応用が利くため、
個性的な作品づくりが可能です。
ぜひとも自分だけのオリジナル作品づくりにチャレンジしてみてください。

次の記事「」へ

前の記事「」へ

著者「アンメルツP」について

関連記事・広告

記事をシェアする