ボカロPの筆者が何度もリピートして聴いたJ-POP10選【2017年〜2019年初頭】 | G.C.M Records

THE BACK HORN 20周年ツアー

ボカロPの筆者が何度もリピートして聴いたJ-POP10選【2017年〜2019年初頭】

2018年もボカロ曲(鏡音中心)とJ-POP・邦楽、音ゲー曲をほぼ平等に聴いていた気がします。
ここでは、最近聴いているJ-POP楽曲を10曲紹介します。

私が30代のボカロPなので、この曲紹介は多分こんな人に特に刺さると思います。
・主に20代~30代
・クリエイター、何かものづくりをする人

今回のレビューを書いてみて、
すべての楽曲が公式に試聴動画(しかもほとんどフルサイズ)をYouTubeに上げていて、
さらに全曲がiTunesで配信されていましたので、本当に時代は変わったんだなと思います。

私自身もJ-POP楽曲は
ほぼ「Google Play Music」(YouTube Premium契約)と「Spotify」の2つの有料サービスで聴くようになり、
一方で「TSUTAYA宅配レンタル」を月8枚から月4枚へと減らしました。

ボカロPとしてはYouTubeに上げた瞬間からこんな凄い曲たちと戦うことになるので
なかなか大変ではありますが…。

過去のおすすめ曲紹介はこのあたりを。

わたしはわたしのためのわたしでありたい / ヒグチアイ

「彼氏いたって お金あったって 辛くなることないですか
 世界で一番わたしが不幸だって思ってもいいですか」

わたしはわたしのためのわたしでありたい / ヒグチアイ

もうこの歌詞が商業流通に乗ったことそのものが、
昨今の雰囲気に正面から抵抗を試みていてエモいと思いませんか。

全編とにかく歌詞聴いてほしい。
これから人生の大きなことに挑む雰囲気を感じるような、歌詞を盛り上げる壮大なオケも素晴らしい。
何かを作ってる人やフリーランス・経営者の人は特に聴いて。

サザンカ / SEKAI NO OWARI

ご存知セカオワによるNHK平昌オリンピックのテーマ曲。

オリンピックのテーマというと盛り上げるものが多い中、
この曲は挑戦者や敗者を受け止めるエンディング感があります。
メダルを取る人はほんの一握り。
参加している全員にドラマがあるということを感じさせる曲で、セカオワの中でもかなり好みの一曲ですね。

「いつだって物語の主人公は笑われる方だ」という言葉も、
今のSNSの時代に挑戦する人にそっと寄り添うイメージでとても救われます。
「Dragon Night」の平歌部分なんかでもそうですが、
端的に本質を表現する短いフレーズを作るのが上手いですよね。

孤独を繋いで / THE BACK HORN

THE BACK HORNは毎年聴いているだろうと言われればそうなんですが、最近ではこの曲が抜群に好みです。
曲調は彼らの楽曲のイメージでまず最初に出てくると思われる、メロディアスなビートロックです。
特に「RINLENMANIA」のような「つなぐ」活動をしている私にとっては、
自分自身の心境に重なる部分もあって聴くたびに心が奮い立った一曲です。

先日開催された日本武道館での20周年記念ライブも、
インディーズの曲から去年の曲まで幅広くやってくださって良かったです。

人生の半分以上支えてもらっているバンドです。
これからも生きてこのバンドの行く末を見届けたいです。

君はロックを聴かない / あいみょん

私は「音楽を好きなことを隠せない音楽」が大好きなんですが、この曲もそんな曲のひとつです。
しかもただそれだけに終わらず、それがちゃんとポップなラブストーリーの一部として昇華・機能しているところが
本当に素晴らしいし見習いたいです。

主に口コミから配信方面でヒットし、昨年の紅白にも出場したあいみょんさん。
彼女のルーツは浜田省吾さんやスピッツなので、
こういう音楽が若い子に受け入れられているのが色々胸が熱くなります…
という無駄におっさん的な視点で書きたくなるような存在です。

紅白のときにこのツイートしたらなにやらそこそこ反応があったので、少し優先順位を上げて取り組みたいです。

青と夏 / Mrs.GREEN APPLE

ザ・青春の一曲。
青春全肯定な感じの歌詞とストリングスを巧みに交えたポップ・ロックという曲調。ボーカルの声も曲にぴったり。
曲構成も1番より2番が長いなどかなり計算されています。
ボカロPとしては、こっちはレンにカバーさせたくなるような曲ですね。

あと「メタ視点の入った音楽」も「音楽が好きなことが隠せない音楽」と同じくらい私ホイホイの要素なんですが、
「映画じゃない 主役は誰だ」と歌うこの曲が
映画『青夏 きみに恋した30日』の主題歌として描き下ろされたという事実が最高じゃないですか!!

その事実と合わせると「私には関係ないと思っていたんだ~」から一気にサビで当事者になるのがもう尊い。

ひといきつきながら / 木島ユタカ

会社から帰るときの電車内で休みながら聴きたくなる、ほっとする曲です。

原曲は生沢佑一さんで、有名なのは山本彩さんのカバー版でしょうか。

その中でもこの木島ユタカさんのバージョンは、声がすっと入ってくる魅力があります。
氏は津軽三味線で弾き語りを行う歌手ですが、このアレンジは完全に民謡には寄らず、
スタンダードなポップバラードとして何度も聴きたくなるような魅力があります。

生きて / Aqua Timez

2018年に惜しくも解散してしまったAqua Timez。
この曲のリリースは2014年ですが、久々に彼らの最近の音楽ってどうなっているのかなと思って聴いたら
存在を知って一気に好きになった一曲です。

彼らの持っていた元来のピュアさに年齢の深みが加わると
こういう素晴らしいものが完成するんだなと思いました。

「皆、自分のせいにはしないもの
 皆、自分を悪くは言わないもの
 傷ついたことばかりで 傷つけてきたことを
 歌にはしなかったこと」

生きて / Aqua Timez

特にこの2番Bメロの歌詞には創作者としてぎょっとさせられました。

生きることや幸せとは何か?
自分は本当に自分自身と向き合っているのか?
色々と突きつけられる哲学的な一曲です。

00年代の彼らの曲しか知らない方にもぜひ聴いてほしいです。

ドラえもん / 星野源

私が説明しなくても(柴さんの記事とかで)すでに散々言われていますけど、
何が凄いって、ドラえもんの二次創作楽曲としてパーフェクトなことですよ。

「原作愛」というものは完成した作品のクオリティからしか図ることができない要素ですが、
基本的に原作を読み込んで「わかる人にはわかる」要素を積み込んでいくかが
クオリティに繋がっていくことだと思っています。

その点、これは冒頭の「少しだけ不思議な~」で藤子・F・不二雄さんの「SF=すこしふしぎ」のオマージュだなと一瞬でわかり、
この先制パンチで「わかる人」は引き込まれるわけです。
しかも知らない人にも良質のポップとしてちゃんと伝わるのがすごい。

ボカロモジュールやカゲプロなど二次創作的な楽曲を作るのが大好きな人間として、
商業でこういうお仕事できるのが本当に心から羨ましいです。

ReI / THE ORAL CIGARETTES

公式ページからmp3、WAVの無料ダウンロードができます。

2011年の春を、決して忘れない。

震災の復興を願う曲の中でもこの曲は、「天変地異」とダイレクトにぶつけたフレーズと、
自分たちの心情を吐露することで間接的に命の尊さの訴えや
被災者・ひいては今を生きる人と一緒に歩いていく、という内容が特徴です。

直接の被災者ではない彼らが、 2016年に福島でのライブ後から制作を開始。
6年経って気持ちを整理し、覚悟のもとで作った曲だということが伝わってきます。
それはwavまでもが完全に無料でダウンロードできるという事実からも伺えます。

カーテンコール / 浜端ヨウヘイ

平成という時代のエンディング曲にふさわしい、壮大なバラード。
2019年の今だから響く曲となっています。

最初にラジオで聴いたとき、 大御所ベテランシンガーによるバラードかと思いました。
それくらい、この巨大なスケールの楽曲を歌いこなしている雰囲気があったんです。
私が人生の大半を過ごしてきた平成という時代が走馬灯のように脳内で映像が再生され、涙が出ました。

そうしたらこれがメジャーデビュー曲だというので二度驚きました。

もっとも、氏はかなり前から弾き語りによる活動を続けており、実力はかなりのものです。

今年の終わりに紅白などに出ていてもおかしくない、今年注目すべき男性シンガーかと思います。

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著者「アンメルツP」について

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