『グルーヴコースター』とカゲプロ楽曲の相性が良い理由をボカロPが考えてみた | G.C.M Records

『グルーヴコースター』とカゲプロ楽曲の相性が良い理由をボカロPが考えてみた

ボカロPの筆者がカゲプロにハマった理由

Twitterタイムラインの熱心なファンに比べると
まだどっぷり沼に落ちているとまでは言えないですが
カゲロウプロジェクト(カゲプロ)、それなりに楽しんでいます。

思い当たる主な理由としては、以下のような感じでしょうか。

・じんさんの音楽が、私の大好きなTHE BACK HORNに影響を受けているから
・小説でのキャラクターの会話が楽しい
・ハマっているTwitterフォロワーさんの二次創作作品が好きだから

じん(自然の敵P)「チルドレンレコード」インタビュー – 音楽ナタリー 特集・インタビュー

菅波栄純さん(THE BACK HORN)とじんさんによる対談記事という素晴らしいものが
昔「NEXUS」という音楽サイトに掲載されていたのですが、
現在は残念ながらサイト自体がありません。

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そしてこの記事を書いている状況としましては

・CDはTSUTAYA DISCASで2枚レンタル
・小説版は5巻全て読んでいる
・漫画版は未見
・アニメ(メカクシティアクターズ)は執筆時点で最新の5話まで視聴済み
  ※そもそもアニメを追いかけて視聴するというのが、『C』以来3年ぶり
・オンリーイベントは2013年9月と今年(2014年)5月に参加

といったところです。

私はボカロ以前に音楽原理主義者みたいなところがあるので、
音楽が原因で人が対立するのを見るのが大嫌いです。
争ってる暇があったら良い所を見つけて楽しもうというスタンスでいます。

【追記】
記事を書いた後にさらにのめり込むようになり、
2015年以降は音楽による二次創作活動をするようになりました。

グルーヴコースターという音ゲーの特殊性

さて、私がカゲプロを楽しめている理由のひとつとして、
上記に挙げた『グルーヴコースター』の存在があります。

最初のバージョンがiOSで無料公開されたときから
気軽に遊べる音ゲーとしてiPod Touchで楽しんでいましたが、
アーケード版がリリースされて、今はそちらをメインに遊んでいます。

このグルーヴコースター、最初のバージョンはタイトーによるオリジナル曲が中心でした。
シンセを多用した打ち込み系の楽曲が中心で、サイバーなゲームの外見によくマッチしていました。

だからiOS版の『グルーヴコースターゼロ』に版権曲が入った時に、ちょっと疑問に思っていたんですね。
「これは曲とゲームの世界観が合わないんじゃないか?」と。
「ゼロ」は版権曲を課金購入する仕組みだったので、そこで少し離れたところがありました。

ところが改めてアーケード版で遊ぶと、全くそうではなかった

むしろこのグルーヴコースターというゲームのシステムと外観は、
曲の世界観に浸るために大きな役割を果たしている、と考えるようになりました。

『beatmania』などの音ゲーは、落ちてくる譜面を決められた場所で叩くものであり、
PVはあくまで独立して存在するものでした。
それはボカロ曲が多数収録されている『SOUND VOLTEX』でも同様です。

『Project DIVA』は画面上を譜面が縦横無尽に飛び交い、それを活用した演出も 確かにありましたが、
譜面とバックのPVとはやはりある程度独立した存在だったと思います。

一方このゲームは、以下の3点から、かなり柔軟な譜面配置や演出が可能となっています。

・コースに沿って自機が進んでいき、迫ってくるオブジェクトを叩いているような演出
(公式サイト曰く「レースゲームさながら」)

・オブジェクトの色や出現方向は自由
(色に関係なく、叩いたり矢印の方向に倒したりする判定方法)

・カメラワークも自由

その結果起こったことは、
曲の世界にそのまま入り込むことができるゲーム譜面の実現でした。

原曲動画とのシンクロ率の高さ

分かりやすいのは、「ヘッドフォンアクター」をプレイしているこちらの動画でしょうか。

原曲の動画はこちら。同時に再生してみてください。

想像以上に原曲PVとのシンクロ率が高いことがわかります。
(「やりかけてたゲーム」がiPadっぽいものに変わっているのはご愛嬌ですねw)

サビでは、右方向に駆け抜けながら斜め上から高速で降ってくるオブジェをさばくという
疾走感があり、ゲームとしても難易度が高く緊迫する演出がされています。

とても「わかっている」演出スタッフ

これはカゲプロ楽曲に限らず、他のボカロ曲や版権曲でも同じような感じです。

wowakaさんの「裏表ラバーズ」では全体的にモノクロに統一されていたり、
黒うさP「千本桜」での、自機が通ったコースで日の丸を作る演出とか、
「マジLOVE1000%」での、メンバーのイメージカラーに合わせた譜面の色とか…。

「サマータイムレコード」に至っては、
「グルーヴコースターによるPV作ってみた」とも言えるくらいの
胸にじーんとくる総集編的な演出がされていました。

どの曲もスタッフがよく聞き込んで、
意図を汲んだ「非常にわかっている」譜面を作っているように見受けられ、
収録曲の作者はすごく幸せだと思います。

とりわけ、カゲプロをはじめとする物語性のある楽曲と
非常に相性の良いものとなっているのが、
このゲームのシステム&外観の特徴だと思っています。

余談ですが、最近追加された「アウターサイエンス」が隠し曲でしかも難易度10という
ラスボスに位置づけられているところなども、よくわかってると思います。

たまに音ゲーでは「この曲ボスっぽいのに最高難度じゃないのかよ!」とか
「あの曲の続編なのに難易度下がってるけどいいの?」とか突っ込みたくなるような
ことが多々あったりするので…。

『グルーヴコースター』は、曲と映像をゲームとして一緒に楽しむという音ゲーの楽しさを、
さらに一歩進めたものなのではないかと思います。

まあでも、ボタンが2個しかない(iOS版はタッチのみ)仕様上、
高難易度は得てして覚えゲー化するのはメリットでもデメリットでもありますね。
私は高難易度に燃えるタイプなので、
クリアするために曲リピート→さらに曲にハマるという好循環のパターンになっています。

もちろん難易度低い譜面も充実しているので、ゲーセンで見かけたら一度遊んでみてください。

音楽という手段でカゲプロの盛り上がりに参加したい

そんなカゲプロではありますが、悔しいのは音屋としてこの盛り上がりになかなか参加できないことですね。

オリジナル志向が強い方は、他の作品を向いてないで
自らの世界観を曲で発信してファンを集める方面に行くのでしょうが、
私はそうではない人間なので。

オンリーに音作品で参戦するのは、やはり絶対的なハードルが存在します。
他方、ネット上を見ると、「daze」のオケが公開され、それをもとに
歌ってみたやボカロカバーが多数投稿されるなど、盛り上がっています。

私もアルバム制作が落ち着いたので、アニメが終わるまでに
1曲ボカロカバーしようと思っていま作ってるところです。

最近は自分の中でなんか1周回って、
「ボカロを調声して、自分好みに歌わせるのが一番楽しい」という
原点のようなところに戻ってきました。
以前より何倍も手間かけてパラメータをいじっています。

何の曲で、ボカロが誰なのかはお楽しみに。

→【追記】カバー投稿しました!MEIKOで「アヤノの幸福理論」です。

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著者「アンメルツP」について

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