2DX統計学 (2002年度サークル誌掲載)

※この原稿は8th style登場直後に書いたものです。


ゲームセンターで稼動している音楽ゲーム「Beatmania2DX」。
99年2月に最初のバージョンが登場して以来、休みなく新作がリリースされ続けている。
その歴史の中でリリースされた曲は、実に9バージョン合計で309曲にもなる。
これは、その膨大なデータをもとにして、2DXの側面を統計学っぽく解釈してしまおうという
なんとも微妙な企画である。

8thには現在わかっている隠し曲も含めている。
データは集められる限り集めましたが、もし間違っていたらごめんなさい。
2nd style以前のデータを集めるのにはかなり苦労しました。

まずはシリーズ別の新曲数を見てみよう。

1st style 32曲
substream 11曲
2nd style 27曲
3rd style 32曲
4th style 44曲
5th style 35曲
6th style 39曲
7th style 43曲
8th style 46曲

驚くべきことに、まだ隠し曲も全曲公開されていない時点で、
版権曲が全く存在しないはずの8thの新曲数が一番多いことが判明した。
これは、5鍵シリーズのアーティストが、5鍵の終了に伴い、2DXに新規参入したためと考えられる。
およそ4日に1曲の割合で筐体に曲が入っていった計算になる。

次に、難易度を集計した。以下、難易度ピカ7(「禁」とも言う)は8として説明する。
近年高難度化が叫ばれている2DXシリーズであるが、結果は☆1が5曲、☆2が10曲、☆3が27曲、
☆4が32曲、☆5が70曲、☆6が69曲、☆7が68曲、☆8が29曲となり
(合計310曲なのは「20,November」の譜面が2種類あるため)、想像以上の偏り具合を見せた。
本来5段階評価だったはずが、いつのまにやら☆6以上が半数を超えているという歪んだ状況を呈している。
平均は5.50であった。

さらに、シリーズ別に難易度と7KEYS譜面のノート数
(1曲の間にオブジェを叩く数。なお、「xenon」は今のところアナザー譜面しか確認されていないので、
アナザー譜面のノート数を採用した)の平均を集計したところ、その高難度化の経緯が判明することとなった。

左から、平均難易度、平均ノート数である。

1st 3.31 238.8
sub 4.18 330.6
2nd 4.04 388.3
3rd 5.03 522.5
4th 5.70 569.3
5th 5.80 659.0
6th 6.35 727.9
7th 6.35 719.6
8th 6.57 728.5

3rd〜6thにかけて劇的に難易度が上昇しており、ノート数に至っては2ndの2倍弱にまで跳ね上がっている。
この間、2DX特有の「詰め込み譜面」化が進行した証拠であろう。

8th平均の728.5とは、1st当時の最難関曲「GRADIUSIC CYBER」アナザー譜面の
ノート数の1.2倍近くにあたる数である。
もし1st時代の人にこの事実を伝えたなら、吐血してその場で失神するかもしれない。
なにせ今の時代に換算すると、「よく聞け!16th styletでは平均ノート数が1817になっているぞ!」
と言われているようなものだから(笑)。

全曲のノート数平均は581.2で、310譜面すべて叩こうとすると18万170回の指の上下運動が必要となる。
もし仮に同じ速さでタイプライターが打てたとすれば、400字詰め原稿用紙450枚分に相当する。
1曲を1分40秒と仮定すると、全曲の演奏に8時間35分必要なので、
一夜にして数人分の卒論を仕上げることができそうだ(違)。

ちなみにノート数の標準偏差は238.6となった。
平均の581.2が偏差値50で、偏差値が10上がればノート数は238.6上がることになる。
あなたがお気に入りの曲のノート数偏差値を計算してみてはいかがだろうか。

さらに、BPM(曲の1分間のテンポ)別の曲数についても調べてみた。
合計が311曲なのは「THE SAFARI」「GET ON BEAT(WILD STYLE)」が2バージョンずつあるためである。

〜100 21曲
100〜109 11曲
110〜119 15曲
120〜129 50曲
130〜139 48曲
140〜149 58曲
150〜159 48曲
160〜169 25曲
170〜179 14曲
180〜189 9曲
190〜199 5曲
200〜    7曲

平均は141.3となった。最高値は300、最低値は63である。やはり予想通り、120〜160に集中している。
ここらへんが人間がノリやすいテンポなのだろう。
また、2DXの定番ジャンルであるハウスはBPM120〜130台、トランスとテクノは140台、
ユーロビートは150台に集中しており、ここらへんがそれぞれの層を押し上げる形となっているとも言える。

BPMにもう少し注目して書いていく。今度はシリーズ別、難易度別にBPMの平均を集計した。

1st 122.4  ☆1 103.4
sub 147.1  ☆2 102.2
2nd 131.9  ☆3 128.0
3rd 133.7  ☆4 133.8
4th 145.0  ☆5 134.7
5th 140.7  ☆6 146.5
6th 147.1  ☆7 150.2
7th 147.7  ☆8 163.1
8th 149.5

シリーズ別に見ると、少しずつ高速化していく傾向が見られるが、
現在の2DXの主力ジャンルがユーロビートとトランスであることを考えると、
しばらくはこのあたりで安定することが想像される。

一方、難易度とBPMの関係ははっきりと見ることができる。
難易度の低めな曲は叩きが少なくテンポも遅いアンビエントなどのジャンルが多く、
他方で「250BPM」は☆7、「MAX300」が☆8と、テンポの速い曲は必然的に高難易度化する傾向があるため、
このような結果が出たようだ。

最後に、曲を作曲者別に集計した。別名義がほぼ確定的なものはまとめて集計している。
例えば「dj TAKA」の中には、Lion MUSASHI、D.J.SETUP、D.J.Amuro名義などの曲を含んでいる。
また、共同作(「革命」など)はそれぞれの作曲者にカウントし、
リミックス作(ユーロビート「Colors」など)は原曲者とリミックス者にそれぞれカウントした。

1位 39曲 dj TAKA
2位 28曲 NAOKI
3位 25曲 good-cool
4位 20曲 TaQ
4位 20曲 dj nagureo
6位 12曲 ヒロシワタナベ
7位 11曲 AKIRA YAMAOKA
8位 10曲 上野圭市
8位 10曲 L.E.D.
10位 9曲 久保田修

309曲のうち版権曲は39曲、オリジナル曲は270曲であった。
1位にはやはりdj TAKAこと石川貴之氏がランクインした。
2DXのサウンドプロデューサーだけあり、もっとも多くの曲を作っている。
ちなみに、氏の曲だけを集計した結果、平均ノート数は711.4となり、全体平均を大きく上回ることとなった。

2位はNAOKI。別名義の数はかなり多い。
一方で、3位のgood-cool、4位のTaQに関しては別名義がほとんどなく、対照的である。
dj nagureoとヒロシワタナベ氏という、ビートマニアの初期を支えた人物もしっかりとランクインしている。
ヒロシワタナベ氏の曲の平均ノート数は267.4となり、これはdj TAKAと対照的だ。
8位の上野圭一氏も非常に別名義が多い。

もし309曲をまとめてランダムセレクトで選ぶことが出来るとすると、10回のランダムセレクト中で、
dj TAKAの曲を少なくとも1回以上引く確率は74.1%である。
dj nagureoの曲では48.8%、久保田修氏ならば25.6%だ。

また21回以上ランダムセレクトすれば、同じ曲がダブる確率が50%を超える計算になる。
4回続けてDJ SIMONの曲を引く確率は、
あなたが向こう1年間に交通事故で死亡する確率より100分の1近くも低い(笑)。



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